結婚の話①

前回の記事で触れたある人に向き合えるよう、まずは自分の経験を話します。

 

過去に女性と結婚していた話について書きます。一度ブログに書こうと決めたもののどう書いていこうか迷ってましたが、やはり当時の自分の心境について正直に書くことにします。
*個人の特定につながる情報は伏せます。

 

はじめに、僕の性自認はゲイです。何でゲイなのに女性と結婚したのか。それは「この人となら家庭を築くことができるかもしれない」と本気で思ってしまったからです。

 

そこにはいわゆる「世間体」的な利害関係も確かにあったと思います。今のご時世、色んな生き方が認められてきて独身への風当たりはそう感じないけど、結婚することで社会的な面を補い合えるのはプラスだと考えていました。でも、それだけで結婚したわけではないです。

 

◆出会い

結婚相手の女性は僕より少し年上で、ハツラツとした性格、話しているとこちらまで気分が明るくなるような人でした。共通の友人のつながりで知り合い、同系統の仕事をしていたこともあり意気投合、やがて飲み仲間という関係になりました。

 

ある晩お店で飲んでいて、何のきっかけだったか、恋愛観や結婚感の話になりました。僕は付き合っている彼氏を女性に置きかえて話をしました。とてもいい関係でこれからもずっと一緒にいたいと思っている、と。彼女は僕の話を嬉しそうに聞きながら、自身の恋愛感も教えてくれました。好みの男性のこと、2年ほど婚活に取り組んでいたがどうもしっくり来なかったという話、そして「彼氏がいるゲイの人と結婚して、自分も別のパートナーと恋愛を楽しみたい」ということ。

 

彼女の発言を聞いてもすぐには頭が追いつきませんでした。ゲイの人と結婚して別の人とも恋愛。それは一体どういうことなんだろう、と。ただ、聞いていて嫌な感じはしませんでした。そこには卑屈さも恥じらいもなく「ただ当たり前にそう思う」という自然さがあったからです。

*後にポリアモリー(複数愛)やパンセクシャル(全性愛)という言葉を知りましたが、彼女自身は特にそういうカテゴリーに属すると自認も自称もしていませんでした。恋愛や結婚に関して世間とのズレや違和感を抱いているとは後に言っていました。

 

「男だけど男が好き」自分がずっと言えずに隠してきたことです。それこそ誰かに話す際に男を女に置き換えることにも慣れて罪悪感もあまり持たないようになってきていましたが、彼女の話を聞いてハッとしました。「これを言ったら相手にどう思われるだろう」とか考えないのか…。この人めっちゃ変わってる。酒の席ではあるものの単に勢いで言っている訳でもなさそうだ。この人になら話してみてもいいかもしれない。そう思うのと同時に口の方が動いていました。

 

「実は言ってなかったことがあるんだけど、彼女じゃなくて彼氏なんだよね」

 

一瞬沈黙があって、その後彼女の顔に驚きと疑問の表情が浮かびました。

 

「え?でもさっき彼女って。いい感じの彼女がいるって言ってなかった?」

 

「ごめん。それは誤魔化してて、本当は彼氏」

 

「つまりどういうこと?」

 

「いわゆるゲイというか。そういうこと」

 

自分にとっては高校の時に告白した友人以来、人生2回目のカミングアウトでした。こんなにも自然に話せることに驚いたけど、相手の驚きはそれを上回っていてすぐには事情を飲み込めない様子でした。

 

次回に続きます