高校時代④

この話の続きです

 

【結】

 

高校卒業と同時期にとあるゲイ向けの出会い掲示板(名前は伏せるけど略してCB)に投稿した。勢いに任せて「同級生に告白してフラれました」と誰も聞いてないことを書き込んでいた。今思い出すとかなり恥ずかしい。

 

さすがに顔写真を載せるのは抵抗があったので後ろ姿にした。といっても後頭部とえりあしだけ。それでも雰囲気はなんとなく伝わるものだ。

 

あとはお決まりの18*176*65的な年齢・身長・体重の情報を添えた。ちなみに今書いたこの数値は適当で特に意味はない。

 

当時は掲示板全盛期で、投稿から1時間もしないうちにいくつかメールが届いた。

 

その中に気になる送り主が2人いた。

 

2人とも同い年で、1人は近所に住んでいたこととプロフィールに興味を持った。あくまで数字からの判断だけど、なんとなく今までに気になった男子に近い感じがした。

 

もう1人は「同級生に告白してフラれた」という文章に対し反応をくれた人だった。

 

「告白なんて勇気あるね!」

 

という返信をもらって、感情のままに突っ走ってしまった自分の行動をプラスに捉えてくれる人もいるんだ、と嬉しく感じ、友達になれるかもしれないと思った。

 

ちなみにその予想は当たって、彼とは今も友人関係が続いている。Jロックが好きなので、彼のことをこのブログではジローと呼ぼうと思う。

 

ジローは僕より1年ほど早くゲイデビューをしていたこともあり、こっちの世界についてよく知っていた。短く切った茶髪を逆立ていて、風貌はちょっといかつい感じがしたが、話してみると親切だった。

 

ジローの運転するエスティマ(親の車を借りてきたらしい)の助手席に座りながら、こっちの世界の先輩に対し色々と気になることを話してみた。

 

「経験がないので、実はまだ男が好きだという確信がない」

 

という話をした時に「それなら試してみたら?」ともっともな返答をくれたことが印象に残っている。

 

▪︎

 

ジローの話を聞いて試してみよう、と思ったかどうかはさておき、もう1人の気になる送り主とそういう関係になった。

 

「癖毛が嫌で、ヘアアイロンで毎朝がんばって伸ばしてるんだ」

 

と彼は話していた。そういえば潤くんも癖毛だった。どちらかといえばおとなしい雰囲気も近しいものを感じた。

 

お互いに興味を持って何度か関係を持ったものの、その男子のことを好きだという感情にはならなかった。行為中に体はしっかり反応しつつも、気持ちの面は潤くんに抱いたものとは遠い所にあった。

 

やっぱそんなうまくいくもんじゃないか。

 

次第に暗い気持ちになり、同時に掲示板で目にした「ヤリモク」の投稿や届いたメールがボディブローのように効いてきた。

 

「軽くヤらない?」

「恋人かセフレ募集!足あり場所なし」

「顔写真ください」

 

自分も実際にヤッてしまっているわけだけど、やはり体だけを求める関係はむなしく思った。

 

掲示板やメールボックスをスクロールしながら、心の中では失望や軽蔑の気持ちが渦巻いていた。自分の中のドス黒い一面を見たような気持ちだった。一方で自分はこの人たちとは違う!と否定していた。

 

こうして僕のなかで「ゲイの世界=怖くて暗いところ」という図式が出来がりつつあった。

 

今思えば単なる無知だ。よく知らないものに恐怖を抱き、ネガティブなレッテルを貼っていただけなんだけど、当時はそうとしか思えなかった。

 

やっとのことで自分と向き合い、サイコロを振ってみたけどたまたま出た目が「2」だった感じだ。そしてその2がほぼ全てだと思い込みかけていた。

 

後になってひょっとしたら別の面もあるかも?もう一歩踏み込んでみよう、と思えたのはジローのおかげだが、その話はまた別の機会にすることにする。

 


 

と、こんな風にして僕は自身のゲイとしての一面に向き合い始めることになった。その後も色々なことがあって今日に至るわけだけど、高校時代の潤くんへの告白は僕にとって間違いなく人生のターニングポイントだった。

 

潤くんに告白してフラれた。それは僕にとってひとつの恋愛の終わりであり、また自分に向き合うことの始まりでもあった。

 

驚かせてしまってごめん、と思う気持ちと同じくらい強く、高校時代に彼が近くにいてくれたことに感謝している。

 

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