高校時代③ ≡ 告白の返事

前回の続きです

   

【転】

 

僕はやはり女の子相手ではダメなのかもしれない。

 

そう認めてしまいたい思いと、まだ「普通」の自分を諦めきれない気持ちが頭の中をグルグルと回っていた。

 

でもどれだけ考えても答えは一つだった。僕が一緒にいたいのは彼女ではなく潤くんだ。その気持ちは本物に違いない。そう気付いてしまった時点で、それ以上彼女と一緒にいることは難しかった。

 

 

 

 

彼女と別れて以来体調を崩すことが多くなった。今振り返ると、先に書いた葛藤が起点となって自身をぞんざいに扱い始めたのが原因だと思う。生活のリズムが乱れ、3年生になってからはそこに輪をかけるように受験のプレッシャーがのしかかった。

 

その頃、学校帰りに図書館で潤くんと勉強するのが定番になっていた。色々あっても、彼と一緒にいるときだけは心が安らいだ。僕の中には隣り合って草むらに寝転び星を眺めていた時からずっと変わらない気持ちがあった。春から季節は夏へと変わり、あっという間に秋になった。

 

秋。文化祭が終わり受験のピークを迎える直前、気持ちを伝えるには今しかない、というタイミングだった。

 

(ていうか、今になって思うがどう考えてもそのタイミングではない。普通に受験前だし迷惑極まりない。もし人生に2回目があったら、告白自体は止めないけど相手の為にも時期だけは再考したい。過去の自分にはただ一言「そういうところだぞ」と言いたい。)

 

告白は電話越しだった。起承転結の転に差しかかっているが、残念ながら現実は甘くない。僕はあっけなくフラれた。

 

同性からの突然の告白に驚いたと思う。申し訳ないけど気持ちには応えられない、とハッキリ伝えつつも、潤くんは最後まで僕の話に付き合ってくれた。そういうところが好きなんだよ、と言いたくなったが自粛した。

 

フラれた直後の会話が印象に残っているので以下に書き出す。

  

「俺が潤くんのこと好きだって気付かなかった?」

 

「うーん、実はそうなのかもって思ったことはあったけど、まさかそれはないか、って考え直した」

 

「そのまさかでビックリしたよね。伝えられて良かったけど、もう前みたいに友達には戻れないかな」

 

「…何で?僕は気にしないよ」

 

「だって気持ち悪いっしょ。男なのに男が好きなんて」

 

「男だろうが女だろうが、悠は悠なんだから関係ないよ」

 

「…そうかな」

 

「そうだよ。だからさ、明日も図書館で待ってるから」

 

 

 

 

ありがとう、と言って電話を切った。携帯を握りしめる手は自身で拭った涙で濡れていた。

 

明日も図書館で待っている。その言葉が本当にありがたかった。告白の返事はノーだったけど、一方で/同時に、存在を肯定されたような気がした。やっぱり僕は潤くんが好きだ。もう彼に気持ちを伝えることはないけれど、周りとは違う人を好きになる自分のことを、今ならば認められるかもしれない。そう思った。

 

続きます

 

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