初めての彼女③ 

前回の続きです

 

イジメの一件以来、活発な雰囲気の同級生(いわゆるスクールカーストの上位層)とは男女問わずあまり口を聞けなくなってしまった。

 

(活発な雰囲気 ≒ カースト上位、という記号的処理は今振り返るとかなり残念だが、当時は大なり小なりそう捉えていた。)

 

からかい気質のあった男子とは少しずつ和解し自分も慣れていったのでまだマシだったが、その周辺の女子は苦手なままだった。話しかけられるだけで赤くなってしまい、質問されても何も答えられない自分がいた。

 

僕の無口な性格は相変わらずのまま、小学校からメンバーが持ち上がりの公立中学に上がった。

 

 

 

 

僕が告白したSさんの話に戻るが、Sさんはそういったカースト的な価値観を一切持ち合わせていないようだった。男女どちらからも好かれていたがそれを鼻にかけず、誰にも分け隔てなく接する子だった。僕が自然に話すことのできる数少ない女の子の一人だった。

 

Sさんは背がスラリと高くて髪を後ろで束ねていることが多かった。素朴な雰囲気だがよく見ると凛とした顔立ちをしていて、どことなくドラマに出てくる女優っぽい、と僕は密かに思っていた。

 

いつどこでの言葉だったか覚えていないが、「昨日の夕焼けがとてもきれいだったので自転車で高台まで登って見に行った」と嬉しそうに話していた。周囲はへーと聞き流していたが、彼女のそういう感性を良いなと思っていたのは僕だけではなかったに違いない。

 

中2の時、友人に「悠ってSさんのことが好きなんじゃないの?」と言われてから急に意識するようになり、Sさんのことを考えると胸がドキドキするようになった。それから周りの期待や自身の気持ちの高まりに押され、1週間も経たないうちに告白していた。結果はOKだった。 

 

週に何度か校門で待ち合わせて一緒に帰った。手を繋いだことが1・2回あった。デートで映画を見に行った。新鮮なことばかりで楽しかった。だけど付き合い始めてから3ヶ月後、僕は彼女に別れを切り出された。その時彼女は泣いていた。

 

 

次回で一旦この話は終わりにする予定です。

最後に彼女に振られた理由と、中学の時に気になっていた男子Nくんのことを書こうと思います。

 


 

収まりが悪くで削除した文章を以下に一応載せておきます。

 

「カースト的価値観は当時の自分が飲み込まれていたのを客観的に書いているだけであって、現在は気にも止めていない。地元に戻るといまだにその時代を引きずっている同級生がいて驚くが、そういう価値観の別の世界があるのだ、くらいに思っている。」

 

そう思えるまでには少し時間がかかりました。

 

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